スキルアップ研修&交流会が県南エリアで開催されました。
記事協力:松尾五月さんレポート
撮影協力:辻村明子さん
3月9日(土)10:00-12:00 八戸中央青果株式会社大会議室で
『いちごの食べ比べと「紙芝居講座」』が行われました。
これは、会員への当会オリジナル紙芝居『みどりちゃん』のお披露目と上演メンバー養成兼野菜ソムリエとして野菜果物の知識経験を増やすことを目的に、県南エリア主催(中村会長主導)で開催されたものです。
【いちご食べ比べ】
はじめに八戸のいちご栽培の歩みについて、八戸中央青果㈱果実部第1課課長の若松郁夫さんから、お話しいただきました。(この方のお顔『情熱市場』のテレビCMで観たことあるっww!地元果物といえば…の、お顔なんですね!)
「八戸いちご」の栽培のきっかけは、70年前にさかのぼります。現在、八戸いちごの主要産地である市川地区ですが、当時は住民の多くが夏は田んぼ、冬は北海道へニシン漁の出稼ぎなど稲作と漁を生業にしていました。しかしヤマセによる凶作や、時化による海の事故で家族を失ったりして生活に困窮する家庭も多く、悲しむ子どもたちを見て立ち上がった教師がいました。このようなことを繰り返さないため、漁に出なくても生産できる作物をと、地元の小学校の校長先生が地域の人々にいちご栽培を呼び掛けたのです。
また、東日本大震災で市川地区にも津波の被害があったことは、私たちの記憶に遠くないところです。震災の翌日には、涙を流しながら出荷しにきた生産者もいたそうです。
若松さんのお話から、八戸いちごへの熱い想いを知ることができました。生産者は初期の200軒ほどから現在は40軒以下と減っているようですが、こういった苦難の歴史のなかで生産されてきた「八戸いちご」を私たちももっと食べて応援したいなと感じました。
八戸いちごの主力品種は「紅ほっぺ」「とちおとめ」「さちのか」でした。
が、最近は「さちのか」に代わり、「よつぼし」になってきているそうです。収量が減少しにくい品種なのだそうです。
<食べ比べ品種>
◆八戸いちご「紅ほっぺ」「とちおとめ」「さちのか」「よつぼし」
◆県外いちご 栃木産「とちあいか」長崎産「恋みのり」埼玉産(日本野菜ソムリエ協会のいちご選手権で優勝した)「あまりん」
八戸いちご4種類と、県外いちご3種類を一度に食べ比べてみることで、外観(ツヤ、形状)や色味(中が赤い・白い)、硬さの違いなどを感じ、参加者それぞれが自分の好みを発見することができました。
中村会長作成の食べ比べ表です。糖酸バランス、見た目、食感など、一度に食べ比べることでそれぞれの個性がわかりやすく、自分の好みもはっきりしますね。
なにが人気あったか、あとで参加会員に聞いてみては?
【紙芝居研修】
講師は、十和田市で紙芝居や読み聞かせをされている中野渡典子さんです。はじめに既存の紙芝居の実演です。タイトルは『こぎつねコンチといちご』です、いちごの勉強会にふさわしい物語を選んでくださいました。童心に帰りますね。
続いて私たちのオリジナル紙芝居『みどりちゃん』です。声色や間の取り方、抑揚、スピードなどで登場人物を演じ分けることで、一人でも上演できることがわかりました。誰が話しているのか、聞き手に明確に伝わることが大事ですね。
また、場面転換のところは中野渡先生ならではの工夫で、渦に巻き込まれて色の世界に入っていく感じを出していました。
外部の方に講師をしていただくことで、また違った広がりが出るものですね。
再考が必要なことも気づきました。中野渡先生は、ペープサートの食材がそれぞれ何色に分類されるのか、少し戸惑ったようです。例えば「もやし」が白なのか黄色なのか、鮭がオレンジなのか赤なのか、今回参加した人によっても思う色が違ったり、絵の色とが違うこともありました。そのような困惑がないようどう扱うか…など、あらかじめ上演するスタッフ間で、すり合わせも必要かなと感じました。色を分類することが目的ではないので違っていても構わないとか、認識を共有したいところです。
そして最後には食育紙芝居として『そんなのいらない』という紙芝居も披露してくれました。あの食べ物もいらない、これもいらない、というけれど…。これは私たちの「みどりちゃん」に通じる内容の紙芝居で、とても参考になりました。プロによる豪華?三本立ての上演でした。たくさんの作品を知っているからこそ、関連性のある紙芝居を紹介してくださることができるのでしょう。
わたしたちの紙芝居上演も、もっとスキルアップできそうな研修となりました。
いちごも7品種も食べ比べできて、理解を深めることができました。
注:)この記事は、松尾五月さんのレポートにHP担当者が加筆・編集しています。
【こぼれ話】
広くて寒くて、箱やフォークリフトがたくさんで・・・という、ザ野菜・果物の会場だったので、(普段はあまり立ち入らないワタシにとっても)野菜ソムリエの会らしい場所だなーと思って研修を受けることができました。 (松尾談)
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